【LGBT知識】クエスチョニングとは?自分のセクシャリティを定めていない?定義やタイプを徹底解説!

「レズビアン・ゲイ・バイ・トランスジェンダー」これらをまとめた「LGBT」という言葉は、今、多くの方に知られています。

一方で、「LGBT」をきっかけに自分を見つめ直したけれど、そのどれにも当てはまらず、自分は何者なのか?と悩んでしまう方も少なくはありません。

そんな方たちに知ってほしい言葉が、この記事で解説する「クエスチョニング」です。クエスチョニングに当てはまるのはどんな人なのか、LGBTとの違いは何なのか、具体的に解説していきます。

クエスチョニングとは?LGBTには含まれないセクシャリティ

セクシャルマイノリティ(性的少数者)=「LGBT」と考える方もいるかもしれませんが、「LGBT」いずれにも当てはまらないセクシャルマイノリティの方はたくさん存在しています。

「LGBT」が、それぞれ性的指向と性自認が決まっている方を表すのに対して、そうでない方を表したのが「クエスチョニング」です。では、具体的に「クエスチョニング」とはどんな人を指すのでしょうか。

性の4大要素の中の【性自認】【性的指向】が関わる

人の性には「生物学的性」「性自認」「性的指向」「性表現」という4つの要素があり、「クエスチョニング」にはそのうちの「性自認」と「性的指向」が関わってきます。

「性自認」とは、自分で自分の性をどう思うかということです。「男」だと思う、「女」だと思う、または「どちらでもない」「どちらとも言い切れない、わからない」というのも性自認です。

「性的指向」は「誰を好きになるか」ということで、「同性・異性・両性」をそれぞれ好きになる場合や「どちらも好きになる」場合、また「どちらも好きにならない」ということもあります。

【定義】自分のセクシャリティが定まっていない or 定めてない

「クエスチョニング」は、この「性自認」や「性的指向」が定まっていない、もしくは定めていないセクシャリティのことを指します。

また、クエスチョニングに当てはまる方の中でも

  • 「自分のセクシャリティがわからない・しっくりこないからクエスチョニングと自認している」
  • 「どのセクシャリティでもないことがしっくりくるので、クエスチョニングと自認している」

というように、人によって「クエスチョニング」を自認する理由はさまざまです。

クエスチョニングの主な3つのタイプを紹介!

性自認・性的指向といった、セクシャリティが定まっていない・定めていない方を指して「クエスチョニング」という言葉は使われています。

ですが「どの部分においてクエスチョニングである」と自認しているかによって、「クエスチョニング」はさらに3つのタイプに分けることができるのです。

  1. 性自認が当てはまる場合
  2. 性的指向が当てはまる場合
  3. 両方が当てはまる場合

3つのタイプについて、それぞれ見ていきましょう。

タイプ①|性自認が当てはまる場合

まず「性自認」について「クエスチョニング」であると自認しているタイプです。

性的指向は定まっているけれど、自分の性別については

  • 「男性、女性どちらかわからない」
  • 「男性、女性のどちらでもない」
  • 「性別を決めないことが自分にとって自然だ」

というように、性自認を迷っている・探している・決めないという場合はこのタイプだと言えます。

また、性別は決して「男性」「女性」だけで区別されるものではなく、それ以外の性であると自認している場合もあります。「男性」と「女性」のどちらでもないから「クエスチョニング」であるとは言い切れません。

タイプ②|性的指向が当てはまる場合

「性的指向」が「クエスチョニング」であると自認しているタイプの方は、性自認ははっきりしているけれど、「誰を好きになるか」という「性的指向」が定まっていない状態にあります。

性的指向は「自分を男性だと自認している男性が好き」「自分を女性だと自認している女性が好き」という2つにはっきり分類できるものではありません。

例えば、

  • 「自分を男性(女性)だと自認している女性(男性)が好き」
  • 「自分を中性だと自認している人間が好き」
  • 「自分をクエスチョニングだと自認している人が好き」

など、実に多様です。「誰も好きにならない」「性自認にかかわらず人を好きになる」という性的指向もあります。

これらのことを踏まえると、「クエスチョニング」であるという状態は他人から見て判断できるものではなく、あくまで自分自身で感じるものと言えるでしょう。

タイプ③|両方が当てはまる場合

上に説明してきた2つのタイプ、どちらかが当てはまる人もいれば、その両方に当てはまるという人もいます。「性自認」と「性的指向」どちらにおいても定まっていない状態の人です。

「自分の性がなんなのかわからない」「自分が誰を好きになるのかわからない」と迷っている状態の人がいる一方で、「自分の性自認も、自分の性的指向も定めないことが自分らしい。その方が心地よい。」と感じる人もいます。

「自分がわからない、迷っている人がクエスチョニングなんだ」と決めつけることはできないのです。

【用語解説】Xジェンダーやジェンダーレス◯◯との違い

「クエスチョニング」と混同されやすい言葉として「Xジェンダー」や「ジェンダーレス〇〇」があります。

「Xジェンダー」は、自分の性別を「中性」「両性」「無性」「不定性」のいずれかだと感じる性自認のことを指す言葉です。

「Xジェンダー」は「性自認」についての言葉であり、「性的指向」は関係ありません。「Xジェンダー」と「クエスチョニング」との決定的な違いは「はっきりとした自覚があるか」という点です。

「Xジェンダー」の場合、自分の性が「男女どちらでもない」「男女どちらも持ち合わせている」「自分に性別はない」「揺れ動き、定まらないものである」という性自認があります。

一方、「クエスチョニング」の場合は、自分の性について「どちらでもないのか、どちらでもあるのか、揺れ動いているものなのか」という判断を迷っている状態です。

男性・女性にかかわらず、なんらかの性自認があるのが「Xジェンダー」だと言えるでしょう。

ですが、これらは他人から当てはめられるものではなく、自分に合っている・安心できるものを当てはめて良いものです。なので、「Xジェンダー」に当てはまる人であっても、自らを「クエスチョニング」としている人もいます。

「ジェンダーレス〇〇」という言葉は、もともと「ジェンダーレス」という「男女の境界をなくす、区別しない」から派生したものです。

最近では、主にファッションなどの「性表現」のあり方として使われており、「ジェンダーレス男子」「ジェンダーレスメイク」などは最近よく見かける言葉です。

性に対する社会の認識は?現在はメディアで話題になることも

日本は他国に比べてセクシャルマイノリティへの理解が遅れていると言われることもありますが、それでも現在は少しずつ、メディアなどでもその存在が取り上げられるようになりました。

東京都世田谷区をはじめとした一部自治体では「パートナーシップ制度」を導入する動きも見られ、社会的にあらゆるセクシャリティの人も平等であるという考え方は広まってきています。

【社会の誤解と偏見】性は男女のどちらか一つであるべき

しかし、それでも今なお、セクシャルマイノリティへの誤解や偏見があることは確かです。

体が男性であれば心も男性である、という認識はまだまだ深く根付いていますし、そうでない場合であっても「じゃあ、心は女性なんだね」と決められてしまうことも少なくありません。

従来の性別にカテゴライズできない「男性でも、女性でもない。決めないのが私の性別。」といった性自認は、まだまだ理解されていないのが現状です。

【周囲の理解】カミングアウトが難しい一面もある…

また、こうしたセクシャルマイノリティの方々は、誤解や偏見を恐れて周囲にカミングアウトできないという場合が多くあります。

私自身、マイノリティを自覚してから家族にカミングアウトするまでには長い時間を必要としました。社会的に理解されてきているとしても、自分の家族にセクシャルマイノリティがいたとして、理解してもらえるとは限らないからです。

カミングアウトするときは、多くの場合が恐怖を抱えながら、勇気を出して伝えることがほとんどです。もし自分がカミングアウトされる側になったときは、どうか拒絶するのではなく、すぐに理解できないとしても一度受け止めてあげてください。

【LGBTQ+】という表現方法について詳しく解説!

さて、メディアでセクシャルマイノリティの話題が出る際に、多く見かけるのが「LGBT」という言葉ではないでしょうか?

この「LGBT」は、それぞれセクシャルマイノリティの頭文字を取った言葉です。また、最近では「LGBT」に「Q+」を加えた「LGBTQ+」という言葉が使われることも増えてきました。

これからも広く使われるであろう「LGBT」や「LGBTQ+」という表現方法について、詳しく解説していきます。

【LGBT】は4つのセクシャルマイノリティの頭文字

まず、「LGBT」の部分について解説していきます。「L」は「レズビアン(Lesbian)」で、女性の同性愛を表しています。

「G」は「ゲイ(Gay)」で、男性の同性愛を表します。ですが、これは日本特有の使われ方で、海外では同性愛者全体を表す場合もある言葉です。

「B」は「バイセクシャル(Bisexual)」で、両性愛を意味しています。男女どちらも好きになるという性的指向を表していますが、現在では「男性」「女性」以外の性も含む「2つ以上の性に惹かれる人」という定義になりつつあるようです。

「T」は「トランスジェンダー(Transgender)」で、「生物学的性」と「性自認」が異なる人を表す言葉です。「レズビアン・ゲイ・バイ」が性的指向についてを表す言葉であったのに対し、「トランスジェンダー」は性自認について表している言葉であり、性的指向とは関係ありません。

【Q+】はクエスチョニングやクィアなどを意味する

では、「LGBT」ではないセクシャルマイノリティ「Q+」にはどのような意味があるのでしょう。「Q」は、今まで説明してきた「クエスチョニング(Questioning)」であり、その一方で「クィア(Queer)」を表す言葉でもあります。

「クィア」とは元々セクシャルマイノリティの蔑称として使われていた「奇妙な」という意味の単語ですが、現在ではそれを逆手に取って、セクシャルマイノリティ全体をまとめる言葉として使われています。

「+」の部分には、これらにまとめきれない多様なセクシャリティが含まれています。恋愛感情を抱かない「アセクシャル(Asexual)」や、すべてのあらゆる性の人も愛する「パンセクシャル(Pansexual)」など、性的指向や性自認に関してたくさんのセクシャリティが存在しています。

セクシャルマイノリティは「LGBT」だけに限らないという意味も込めて「Q+」が付け加えられるようになりました。

枠を限定できるものではない!【性の多様性】を表現

ここまで、実にたくさんのセクシャリティについて解説してきました。ですが、人が必ずしもこのセクシャリティのカテゴライズに当てはまる必要はありません。

あくまで、自分を表現するために、自分の存在を認識するために、自分が心地よいと感じるために、このような多様なセクシャリティが存在しています。なので、「私はどこにも当てはまらない」と不安を感じることは決してありません。人の性は、人の数だけ存在しています。

まとめ|多様な性を理解しよう

この記事では、多様なセクシャリティの中でも「クエスチョニング」に焦点を当て、その特徴や「どんな人が当てはまるのか」ということを解説してきました。自分のセクシャリティについて迷っている方、不安を感じている方は多くいらっしゃるでしょう。

また、その気持ちを誰かに話すことも難しいと感じているかもしれません。そんなとき、自分を「クエスチョニング」とすることが、生きやすさのヒントになる場合があります。自分の中の多様な性を、一度見つめてみてください。

KANTA

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