【LGBT知識】インターセックスとは?DSD(性分化疾患)のこと?定義や特徴を具体例とあわせて徹底解説!

LGBTは似ている言葉や、同じようであっても全く意味が異なる言葉などがあるため、私たちは正しい知識を身につけなくてはいけません。

今回この記事では、セクシャルマイノリティの「QIA」のIにあたるインターセックスとは何か、定義や特徴についてなどを詳しく解説します。

インターセックスとは?正式名称はDSD(性分化疾患)

インターセックスは「DSD(性分化疾患)」と言われる疾患です。

見た目は女性ですが、卵巣や子宮など本来女性についているべき器官が無い人や、精巣が存在している人のことを言います。男性の場合も同様に、男性にあるべき器官が無い人のことを言います。

インターセックスは、出生時の性は外見に合わせられることがほとんどだと言われています。また、新生児の2,000人に1人の割合で生まれてくることから、想像よりも多い疾患であることがわかります。

2000人に1人の割合?性分化の過程で非典型に発達!

お母さんの胎内で赤ちゃんは約10ヶ月もの間、色々な身体の構造を作り上げていきます。その過程で何らかの変化が生じてしまい、内性器や外性器が非典型に発達してしまうことをインターセックスと言います。

日本ではあまりインターセックスと呼ばれることが好まれておらず、DSD(性分化疾患)と言われるのが一般的です。2,000人に1人の割合で生まれてくる赤ちゃんがインターセックスであると言われており、意外と身近な疾患であることがわかります。

疾患の種類はさまざま!一部の具体例を紹介

一言でインターセックスと言いましても、疾患の種類はさまざまにあります。ここでは、インターセックスの疾患について、一部の具体的な症状について詳しく解説します。

  • アンドロゲン不応症
  • クラインフェルター症候群
  • ターナー症候群

どんな病気・症状があるのかということを、しっかりと理解していきましょう。

【アンドロゲン不応症】ホルモンの受容体が欠如・・・

アンドロゲン不応症とは、以下のような病気・症状があります。

  • ホルモンの受容体が欠如してアンドロゲンを感知できず、男性への性分化に起こる障害
  • 思春期になっても生理が来ない
  • 男性仮性半陰陽に分類される

思春期になっても生理が来ないことで気付き、検査を受けて発覚することが多い症状です。年齢的にも精神的なダメージを受けることが多く、アンドロゲン不応症の治療以上に精神的なケアが重要となるでしょう。

【クラインフェルター症候群】男性の性腺機能が不全である

クラインフェルター症候群とは、以下のような病気・症状があります。

  • 男性の性腺機能が不全であり、染色体異常が原因で起こる病気
  • 成人になると骨粗しょう症や性欲低下、無精子症など様々な症状が起こる

子どもにはあまり異常がみられないため、大人になってから発覚することが多い疾患です。無精子症や高度乏精子症といった不妊症が原因で発覚するケースが多いと言われています。

ただし、現代の医療技術を用いれば子どもを授かれる可能性もあるため、早めの治療・染色体検査を受けることをおすすめします。

【ターナー症候群】女性の性腺機能が不全である

ターナー症候群とは、以下のような病気・症状があります。

  • 女性の性腺機能が不全であり、染色体異常が原因で起こる病気
  • 無月経や乳房、腟、陰唇などが発達しない可能性が高い(子どものまま)
  • 成人になると糖尿病や甲状腺ホルモン分泌低下など様々な症状が起こる

ターナー症候群は女性に起こる疾患で、生まれたときに発覚することは少なく、多くの場合が成長してから発覚するケースが多いと言われています。130cm台の低身長や不妊から疾病が疑われ、染色体検査を行って診断します。

ターナー症候群を治す治療は無いため、成長ホルモンや女性ホルモンなどを用いたホルモン治療などを行います。

LGBTには含まれない?他のセクシャルマイノリティとの違い

インターセックスは染色体異常による性分化疾患のため、LGBTに含まれるのかどうかわからないという人も多いのではないでしょうか。

他のセクシャルマイノリティとはどのような違いがあるのか、この見出しで詳しく解説します。

身体の状態|男性や女性であるという性自認は関係ない

インターセックスは、思春期にあるべき生理が来ないなどの症状があり、親と一緒に医療機関で検査をすることで発覚するケースが多いと言われています。

LGBTはカミングアウトをしなくても命に関わることはありません。しかし、インターセックスは、精神的ストレスやホルモンバランスが崩れるなどのトラブルが起こるリスクが高いため、治療が必要不可欠です。

そのままにしておくことで、最悪命に関わる可能性が高い疾患であることを知っておきましょう。

ホルモン注射|命に関わる!健康維持を目的としている

LGBTの人たちが行うホルモン注射は、自分が望む性になるための治療です。しかし、インターセックスの場合はホルモン注射をしないと命に係わるため、健康維持を目的としているのです。

自分から望んでホルモン注射をしているのか、ホルモン注射をしなくてはいけない状態であるのかで大きな違いがあることがわかります。

そう考えると、インターセックスとLGBTは同じものとして考えてはいけないのかもしれません。

正しく理解しよう!インターセックスについての誤解

インターセックスは想像していた以上に身近な疾患であるにもかかわらず、私たちは多くの誤解を招いている恐れがあります。

インターセックスでよく間違われる誤解について、正しく理解する必要があるでしょう。ここでは、インターセックスは中間の性のことなのか、自由に性別を選べるのかという2点について詳しく解説します。

中間の性?男女はこうあるべきという固定概念によるもの

インターセックスで最も多い誤解の1つに、「DSD(性分化疾患)は中間の性という意味である」という誤解が挙げられます。DSDは身体の一部が異なるだけの疾患であり、それ以外は全く普通の女性・男性です。

インターセックスを良く知らないで、中間の性だと安易に言ってはいけません。自分の発言のせいで、多くのDSD(性分化疾患)の人を傷つける恐れがあることを知っておいて下さい。

自由に性別を選べる?実際に性別変更を求める人は少ない

インターセックスは性に関する問題ではありますが、身体の一部が異なる疾患のことです。そのため、見た目と中身が違うからと言って、性別変更を求める人は少ないのが実情です。LGBTとDSDを同じカテゴリに入れることで、中間の性であるという誤解も増えてしまいます。

LGBTにはさまざまな呼び名があり、その1つにLGBTQIAがありますが、DSDは果たして同じカテゴリに入れても良いのでしょうか。あまり適切ではないのではないかという意見もあるようです。

【熟考】インターセックス(DSD)に関する社会問題

インターセックスであることで、さまざまな社会問題にぶつかることも多くあります。これは、LGBTも同様ですが私たちの理解不足も1つの原因として挙げられるでしょう。

ここでは、インターセックスの社会問題にはどのようなものがあるのか、代表的な問題を2つ紹介します。

アスリート問題|不公平であると判断される女性達

オリンピック選手の中には、昔は見た目だけで性別を疑われてしまい、勝手に性別検査をされることがありました。その検査結果だけを見て、女性ではないと理不尽なことを言われてしまうのです。

女性として生き、女性選手としてオリンピックのために努力をしてきたのにもかかわらず、男女の分類を構造の違いだけで決めつけるのはどうなのでしょうか。

2015年より、テストステロン値の規約は保留となりましたが、依然として根強い差別があるのは大きな社会問題の1つです。

強制的な手術|幼少期に同意や理解がないままに

インターセックスの子どもたちの多くは、本人があまりよくわかっていない幼少期のうちに強制的に手術を受けさせられています。幼少期なので、当然本人の同意はありませんよね。

例えまだDSDの意味がわからない子どもだとしても、親は正直に疾患のことを伝えなくては後に大きなトラウマに繋がる可能性があります。また、自分の身体に関することなのですから、どうしたいのかは本来自分が選択すべきです。

まとめ|インターセックスについて正しい知識と理解!

インターセックスとは何か、定義や特徴についてなどを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

インターセックスは染色体異常で起こる疾患であり、その症状にはさまざまなものがあります。LGBTQIAと1つの略語でくくられることもあり、LGBTと同じ性的マイノリティの1つなのではないかと多くの人が誤解しています。

DSDは身体の一部が異なるだけの疾患であり、男でも女でもない中間の性ではありません。

私たちはインターセックスについて正しい知識を持ち、理解する必要があるでしょう。この記事を読んで、少しでもインターセックスのことを理解してもらえたら幸いです。

KANTA

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