レズビアン(Lesbian)は性的マイノリティとされるLGBTのLの部分にあたるもので、女性同性愛者のことを言います。ですが、単に女性が女性を好きになればレズビアンなのか、その定義には難しいものがありますよね。
今回、この記事ではLGBTのレズビアンについて、定義や特徴など身近に感じる疑問などを紹介します。この記事を読めば、レズビアンについて深い知識を身につけることができるでしょう。
【必読】まずは基本を理解!性にまつわるキーワード解説
LGBTとは何か、レズビアンとは何かということを知る前に、まずは性に関する基本知識を知っておきましょう。
人間の性は、主に以下の3つから成り立っていると考えられます。
- 生物学的な性(体)
- 自己意識の性(心)
- 恋愛対象となる性(性愛)
ここでは、これらの性について詳しく紹介します。
体と心による性別認識|「身体的性」【性自認】
性自認とは、自分の性をどのように認識しているかということ。体(見た目)は関係なく、心がどう思っているかというのが性自認の大切なポイントです。
- 性自認・身体的性が一致している人…「シスジェンダー」
- 性自認・身体的性が一致していない人…「トランスジェンダー」
性自認とよく勘違いされるのが性的指向です。自分の性をどのように認識しているかということと、どの性を好きになるのかということは異なることを知っておきましょう。
性的指向については、次で詳しく解説します。
他者との関わりを表す|「性的指向」【性表現】
性的指向とは、どのような相手(性)を好きになるかということです。つまり、このように表されます。
- 性自認が男性・性的指向が男性…ゲイ
- 性自認が女性・性的指向が女性…レズビアン
性を考える時に、私たちが一番身近に感じるのは「戸籍上の性」ですよね。ですが、LGBTで戸籍は関係なく、自分自身が性をどう思っているかということが一番重要となります。
ゲイやレズビアンの人に対して、安易にヘテロセクシュアル(異性愛者)だと言うのは、不用意に人を傷つけることに繋がるため気を付けなくてはいけません。
【定義】レズビアン=女性として女性だけを好きになる女性
レズビアンとは、女性同性愛者のことです。自分のことを女性だと感じていて、女性として女性のことを愛し・性的な欲求を持つ人のことを指します。つまり、性自認が女性・性的指向も女性である人のことをレズビアンだと定義されるという訳です。
ここでは、レズビアンについて、自覚するタイミングや要素などをもう少し細かく見ていきましょう。
自覚するタイミングは?同性愛は病気でないので診断ナシ
自分のセクシュアリティに気付く瞬間は、人それぞれ異なります。ですが、よく多いと言われるシチュエーションは以下に当てはまるようです。
- 男性とデートをしている時に違和感を感じる
- 友達のことを好き(恋愛対象)になる
仲の良い友達に恋愛感情を抱くようになり、その時に自分がレズビアンだということに気付く人が多いようです。
同性愛は病気では無いため診断はありませんが、自分のセクシュアリティを自覚した時こそがタイミングだと言えるでしょう。
女性が好き?一つの要素だけでは他のLGBTに該当する!
レズビアンの定義は、性自認が女性・性的指向も女性となります。つまり、見た目(身体)が男性であっても性自認が女性であれば、一見すると普通の恋愛に思えますがレズビアンであると定義される訳です。(正しくは、トランスジェンダーのレズビアンとなります。)
反対に、見た目(身体)が女性でも、性自認が男性である場合は異性愛者となります。この場合、レズビアンではなくトランスジェンダーになるという訳です。
性自認・性的指向とともに女性であることが定義であり、どちらかが1つでも欠けると他のLGBTに該当することを知っておきましょう。
【最新版】レズビアンと社会の関係は?まだまだ偏見も
徐々にオープンになりつつあると言われているLGBTと社会との関係。ですが、まだまだ偏見が後を絶たないというのが現実です。
第三者からの差別的な行動・発言で傷つくことも多く、場合によっては嫌がらせを受けることもあると言われています。ここでは、レズビアンと社会の関係について詳しく紹介します。
外見やしぐさの特徴で判断する?人それぞれである!
LGBTという性的マイノリティが認知されるようになってから、外見やしぐさだけを見てレズビアンやゲイだと判断する人がいます。
レズビアンだと言われる特徴には、男性が嫌いでボーイッシュだとか言われていますが実際には人それぞれ異なります。男性・女性分け隔てなく仲良くする人もいれば、むしろ可愛らしい女性でもレズビアンの可能性だってあるのです。
LGBTは安易に外見だけで判断することはできません。それぞれのイメージだけで判断してしまうのは、結果、相手を傷つける可能性があることを理解しておきましょう。
レズビアンの歴史は浅い?日本における女性の地位が関係
レズビアンはゲイに比べると歴史は浅く、その理由は歴史的記録を残す立場として女性よりも男性のほうが圧倒的に多かったからというのが挙げられます。
また、昔の日本では、結婚まで女性は貞操(ていそう)を貫くべきだという共通の価値観が蔓延していたことも、歴史の浅さに関係しているでしょう。
日本でレズビアンが有名になったのは、1911年に起こった女学校卒業生同士の心中事件だと言われています。この事件をきっかけに、同性愛という言葉が誕生し「変態性欲」とも偏見を持たれるようになりました。
現代のレズビアンを取り巻く環境!徐々にオープンなものへ
LGBTはひと昔前までは偏見や差別の対象となり、仕事をするのにも自分自身を隠さなくてはいけないというストレスがありました。しかし、徐々にオープンなものへと変わっていき、今ではLGBTに対して協力的な会社もあると言われています。
普通の会社とは違い、福利厚生が手厚かったり差別禁止規定を設けているなど、性自認や性的指向についても規定に明記されているのは嬉しい話ですよね。
気になる!レズビアンについてのQ&A
偏見や差別とは違って、普通にレズビアンのことが気になるという人も多いのではないでしょうか。ここでは、レズビアンの人たちがよく聞かれる疑問について3つ紹介したいと思います。
実際にレズビアンの人を目の前にすると、聞けないということのほうが多いと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
【疑問①】男役や女役はあるの?役割を表す言葉はある!
同棲カップルはレズビアン、ゲイもそうですが必ずしも男役・女役が決まっている訳ではありません。性表現はレズビアンにとって自由であるため、見た目が男の子っぽいカップルもいれば、男女のようなカップルもいます。
女役・男役という意味ではありませんが、見た目や雰囲気が女性らしい人をフェム、反対に男性らしい人をボイという言葉で表すことがあります。
フェムとボイは性表現を指した言葉であるため、間違えないようにしましょう。
【疑問②】レズ?ビアン?百合?呼び方の違いは何?
レズビアンには様々な呼び方がありますが、略し方でニュアンスが少し異なってきます。レズと言うと少し差別的・侮辱的なイメージとしてとられるため、通常はビアンかレズビアンと略さずに言ったほうが良いでしょう。
そして、もう1つの呼び方に百合がありますが、この言葉はマンガや小説・アニメなどの女の子同士の恋愛物語のことを指します。
出版業界では、男性同性愛者のことを真っ赤な薔薇に例えられていたことから、女性同性愛者のことを対比して(白)百合にしたという説もあるようです。
【疑問③】男性のことは嫌い?性的指向のため人による
レズビアンの人は男性が嫌い・苦手であるというのは古い偏見の1つです。実際に、自分がレズビアンであることを自覚するときに、男性に対して深刻なトラウマを抱えたからということはそうそうありません。
思春期に友人のことが好きになったなど、自然に女性のことを恋愛対象として見ていると自覚するケースが多いのです。
ただし、性的指向によって考え方もそれぞれ異なるため、人によっては男性のことが嫌いだという人もいるでしょう。
まとめ:レズビアンの正しい知識を身につけよう!
レズビアンの定義とは何か、社会との関わりや疑問についてなどを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
レズビアンとは、性自認と性的指向とともに女性である人のことを言います。LGBTは徐々にオープンになっており、生きていく中でずっと隠し通さなくてはいけないような環境ではなくなってきています。
ですが、偏見・差別が100%無くなっている訳ではありません。
レズビアンを含むLGBTの人達が暮らしやすい世の中になるように、私たちは正しい知識を身につける必要があるでしょう。この記事を読んで、少しでもレズビアンのことがわかって頂けたら幸いです。
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