トランスジェンダーの「FtM」とは?男性として生きたい女性のこと?定義や特徴を徹底解説!

セクシャルマイノリティの総称である、LGBTのTにあたる「トランスジェンダー(Transgender)」。テレビや映画でもトランスジェンダーを題材にしたものがあることから、名前は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

ですが、その定義とは一体何なのか、性同一性障害と同じ意味なのかわからないという人も多いと思います。トランスジェンダーの中には、FtMと表される人もいます。

ここでは、トランスジェンダーについて、その定義や特徴についてなどを紹介します。ぜひ、正しい知識を身につけましょう!

トランスジェンダーは?理解するための3つのポイント

トランスジェンダーを含むLGBTのそれぞれの言葉は知っていても、正しい意味や定義は知らないという人が多いと思います。

ここでは、トランスジェンダーについて正しく理解するためのポイントを3つ詳しく紹介します。

  1. 性の4大要素
  2. 身体的性と性自認が異なる!広義と狭義あり
  3. 性同一障害とは違う!広義では含まれることも

言葉の意味や定義を知る前に、まず性とは何かということをきちんと理解しておきましょう。

① 性には【4大要素】がある!性別認識と他者との関わり

性の4大要素とは、以下のことを言います。

  • 性自認
  • 性的指向
  • 身体的性
  • 性表現

性自認とは、自分自身が性に対してどう思っているかということです。人によっては男でも女でもない(中性・無性)と考える人もいるでしょう。性的指向は、自分が惹かれる(恋愛対象となる)性のことです。

身体的性は、身体的特徴に基づいた性のことです。性表現とは、自分の性をどういった形で表現するのかということです。服装や言葉遣い、態度などが当てはまります。

これら4つの要素と性別認識・他者との関わり方がLGBTにとても重要となってきます。

② 【身体的性】と【性自認】が異なる!広義と狭義あり

トランスジェンダーは、大きく分けると2つの考え方があります。

  • トランスセクシャル
  • トランスヴェスタイト

トランスセクシャルは、身体的性と性自認が一致していない人のことを言います。トランスヴェスタイトは、身体的性と性自認は一致していますが異性の格好をする人のことを言います。

また、トランスジェンダーには広義と狭義があります。狭義は性自認と他人(周囲)が認知している性が異なるという意味があり、それにプラスしてトランスセクシュアル・トランスヴェスタイトである人のことを広義と言います。

少し難しいですが、トランスジェンダーとは心と身体の性が異なる人、または見た目と中身(心・身体)が異なる人のことを指します。LBGTの4つの中でも、トランスジェンダーは性自認の話であることを理解しておきましょう。

③ 【性同一障害】とは違う!ただ広義では含まれることも

よくトランスジェンダーと性同一性障害は、言葉が違うだけで意味は同じだと勘違いしている人がいます。

性同一性障害とは疾患名(医学用語)のことであり、性自認と身体的性が一致していない人が、手術をして一致させたいと望んでいる人のことを言います。男性が女性になりたいから去勢手術をしたり、男性がホルモン治療をして女性らしい身体つきになったりすることを望むかどうかと言うことです。

ただし、性自認と身体的性が一致していないという点は同じなので、広義に含まれることもあるようです。

FtMとは?【男性として生きたい女性】を表す言葉

トランスジェンダーは、性自認と身体的性が一致していない人のことであるため、MtF・FtM・MtX・FtXなどで表されることがあります。

  • M…Male(男)
  • F…Female(女)
  • X…Xジェンダー

つまりFtMとはFemale to Maleの略であり、戸籍上は女性だが性自認は男性という意味になるのです。

なお、Xジェンダーとは女とも男とも断言できないセクシュアリティのことを言います。

性適合手術は受ける?【医療行為】の有無や段階は関係ない

トランスジェンダーは、WHOが精神疾患ではないことを認めており、性適合手術を受けたりするかどうかは関係ありません。

ただし、性同一性障害であれば疾患となるため、この場合は、戸籍の変更をしたり性適合手術を受けたりします。この違いは、心と身体の性を一致させたいと思うかどうかで変わってきます。

恋愛対象は?男性とは限らない!【人それぞれ】で自由

トランスジェンダーの恋愛対象はよく異性だと言われますが、必ずしもそうとは限りません。トランスジェンダーの中にも同性愛者・両性愛者など様々な性的指向があります。

最初からトランスジェンダーだからと言って決めつけられてしまいますと、かえって相手を傷つける可能性があります。恋愛対象は人それぞれあり、自由であることを理解することが大切です。

もし、実際にトランスジェンダーの人と会ったら、恋愛対象が気になるかもしれません。そういった場合は聞き方に気を付けましょう。

オナベの呼び方は差別的な場合も!呼称は【当事者が決定】

オカマやオナベ・オネエという言葉は、いわゆるストレートの人があまり意識しないで言ってしまう言葉です。ですが、実はこれらの言葉は差別用語になる恐れがあることを知っていますか。

オカマやオナベはまさにトランスジェンダーにある要素とも言えますが、その発言をすることでモラルや常識を問われることもあるのです。

当事者同士がふざけてオナベとか言い合うことはあっても、LGBT当事者は控えるようにしています。うっかり知らなかったではすまない可能性もあるため、十分に気を付けましょう。

気になる!FtMの特徴や治療についてキーワード解説

トランスジェンダーは、一言で特徴を表すのにはとても難しいものがあります。性同一性障害やFtMなど、様々な言葉があって何が違うのかわかりにくいですよね。

ここでは、FtMの気になる特徴や治療などのキーワードを詳しく解説します。

外見的特徴|しぐさや服装を男っぽくする人が多い!

FtMは、女性でも男性として接してほしい人や男性として生きたいと願う人のことを言います。そのため、外見的特徴には男っぽいという特徴があります。

性自認が男性なので、男らしい性格をしている人が目立ち、しぐさや服装も男っぽい人が多いでしょう。また、自分の身長や女性らしい声の高さなどのギャップに苦しんでいるケースも少なくないようです。

幼少期は赤いランドセルがイヤだったとか、スカートが嫌いで制服を着たくなかったなどのエピソードがよく聞かれます。

男性ホルモン投与|声・生理・体毛に変化が…

男性として生きたいと願うFtMの多くは、自分の女性らしい身体つきに対するコンプレックスがあります。また、戸籍変更を望むなどの場合、性別適合手術のために男性ホルモンを投与します。

個人差がありますが、ホルモン投与をすることで身体に変化が起こります。

  • 声が徐々に低くなっていく
  • 生理が止まる
  • 体毛(ひげ・腕・陰毛など)が濃くなる
  • 性欲が増進する

男性ホルモンの投与により女性ホルモンよりも男性ホルモンが優位になるため、生理が止まり徐々に男性らしくなっていきます。

トランスセクシャル|既に性別適合手術を受けた状態

トランスセクシャルは、トランスジェンダーの中でも性と身体の不一致に違和感を感じています。そのため、性別適合手術やホルモン療法などを行い、自分が望む性になりたいという希望があるのです。

トランスセクシャルの人の多くは、既に性別適合手術を受けた状態で自分が望む性になっていると言われています。ただし、経済的事情や手術に対する恐怖心などの理由から、性別適合手術をしない人もいるため絶対ではありません。

一言でトランスセクシャルと言いましても、自分の理想の姿(ゴール)は異なるため、何処まで追求すれば満たされるのかは違うのです。

【必読】LGBTを取り巻く社会問題も知っておこう!

LGBTなどの性的マイノリティは世界中にいますが、それでも普通とは少し違うというだけで差別的・侮辱的な扱いを受けています。そのため、学校や会社でも本当の自分を隠して生きなくてはいけないという人が多くいるのです。

LGBTを取り巻く社会問題に対して、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

子どもから大人まで直面!公共トイレ・学校・就職問題など

LGBTを取り巻く社会には、心と身体の性が一致しない人々のトイレ問題や学校・就職などの様々な問題があります。

特にトランスジェンダーは、使いたいトイレの性別と戸籍上の性別が一致しない場合が多く、トイレを使用することでストレスを感じると言います。また、学校などの教育現場では、LGBTを打ち明けたことで差別的・侮辱的な言葉を受けたというケースが後を絶ちません。

就職では、面接のときにLGBTを打ち明けたところ採用を打ち切られたというケースもあることから、LGBTへの理解がまだ乏しいことがわかります。

ホルモン治療は保険適用外!自由治療で全額が自己負担に

ホルモン治療は自由診療となるため、保険適用外で全額自己負担になります。性別適合手術は保険適用となりますが、ホルモン治療とは別になるため注意が必要です。

また、ここで問題になるのが日本では混合診療が禁止されているということです。性別適合手術とホルモン治療を一緒に受ける場合、性別適合手術は保険適用されますがホルモン治療はされませんよね。

つまり、療法の治療を受ける場合は、性別適合手術も自由診療扱いとなり全額自己負担になってしまうのです。性別適合手術を保険適用で治療したい場合は、ホルモン治療をやめなくてはいけないため、どうするべきか選択が迫られます。

まとめ|トランスジェンダーの正しい意味を知ろう

トランスジェンダーを知るためのポイントやFtMについてなどを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

トランスジェンダーには、広義・狭義があり、またトランスセクシャルやトランスヴェスタイト、Xジェンダーなど様々な表し方があります。性自認と身体的性が一致していないことから、FtMなどの戸籍上の性と望む性を表す言葉もあり、正しく理解しないと不用意に相手を傷つける可能性があるため注意が必要です。

LGBTを含む性的マイノリティの人たちも、いわゆるストレートの人たちも同じ人間であり、必要以上に干渉しないことが大切。

トランスジェンダーについて正しく理解したいのであれば、自分の価値観を不用意に押し付けないようにしましょう。

KANTA

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